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あの山の向こうへ @大分県中津江村 2010 |
新イベント過去、あまり九州のMTB情報をネットで集めたことはなかった。しかし、この秋の木城、海中など楽しめたので色んなサイトを見ていた。時々チェックしていたob-Q(オフロードバイシクル九州)その他で、「イベントをやりますよ」という告知が。場所は、秘境というか聖地というか、大分県(現在は日田市の)中津江村。50km程のトレイルをぷらぷら走りましょう、という話。そういう、あらたなイベントを行うということ自体にリスペクト。 その気持ちは、参加することで表現するしかない。1日だけ迷ったが、とっとと翌日にエントリー。どうやら、2番目のエントリーだったようだ。早期エントリーフィーは3000円。正規には6000円なのかな。 本来、MTBの「レース」は、敷居が低いものが多い。しかし、その一歩を踏み出すのは重いはずだ。レースは多分MTBにおいて原点ではないと思っている。トレイルを楽しく、自然を感じながら走ってナンボ、と思う。そもそもオレがMTBに乗っている理由ってそれだと思う。MTBトップページのImageを見てもらったらわかると思うけど。 あ、レースは、みんなでわいわいやれば楽しいから、そういう風に楽しめばいいと思う。達成感もあるし、特別なことをしているという自己満足もある。オレ自身、レースにも注力しているし。王滝はちょっと大変だが、いいなと思うし。 問題は移動費用。名古屋にいるオレは中津江にいくのはそう簡単ではない。ANAのマイレージがたまっていたので、これでフライトを確保。タダだぞ。福岡から現地は車で。 楽しんでナンボ大分は中津江に行くんだから、楽しまなきゃ。一人でも、多分楽しいと思う。しかし、こういうのは一緒に誰かと楽しむとなお楽しい。会社メンバーは仕事だプライベートだで忙しい面々が多い。結果、兄を誘った。さらに楽しむには。折角日田エリアに行くんだったら、泊まりでじっくり楽しまねば。当初、日田市内に泊まってグルメツアーと思ったが、兄が「温泉もいいな」、と。このエリア、温泉だらけだ。日田、天ケ瀬、杖立、黒川、湯坪、湯平、まだまだ沢山。現地に一番近くて泊まれるのはどうやら杖立だね、ということで葉隠館を確保。 移動右のImageをどうぞ。 太宰府-鳥栖間は相変わらず車が多いが、スムーズに車が流れる。Cube3にはカーナビゲーションはないが、だいたいの土地勘で杖立を目指す。昔、この辺りに寮のメンバーと走りにきていた(4輪で)。懐かしい。バスケの合宿も中津江村で昔やったし。でも、カメルーンで中津江の名前もメジャーになった。幾つか施設は増えたようだが、基本は何ら変わっていないのが中津江の良さ、か。 212は1車線の道路が続くが、このルートしかないためトラックも走っている。そこまで広くないこの道だが、牽引タイプの大型トラックもすいすい走る。運転がうまいね。途中、明日山の中で食べる為のパンやらを購入。 杖立温泉 葉隠館クルマで走っていると、既に兄が現地近くに入ったと連絡。ただし、宿の場所も駐車場もわからんが、ここ一帯はどうなってるんだ?という電話。川沿いの駐車場の入り口を探してくれ、とだけ伝える。オレもイメージが頭に入っているだけで、正確に誘導出来ない。オレもその後10分程度で到着。 杖立温泉の位置は多分、昔の212ってのは杖立を通っている道なんだろう。バイパス的に杖立てトンネルが出来たようだね。過去、多分このトンネルを通ってしまっているがために杖立温泉自体、オレにとっては初めてということだ。さあ、杖立に着いたぞ。むむっ?すごい!右のImageをどうぞ。 杖立温泉、まずその雰囲気にノックアウトされた。駐車場は川沿いに作られているが、上にある地図でもわかるが川沿いに建物が展開されている格好だが、谷底に川があり、そこから上がって行ったところに建物がずらりと並んでいるようで、川沿いから見上げると壮観である。加えて、一部大手を除くと古い建物が多く、それらが積み重なっているように見えるし、川に掛かっている橋も古く見えるが、逆にサイバーパンクな雰囲気を醸し出す。オレの第一印象は端島(=通称 軍艦島)。なんだか圧倒された。残念ながら、日没直前の到着だったのでまともなImageがないのが悔やまれる。これは、また行くことにしたい。本当は近隣を探検したいぞ。 続いて、予約していた葉隠館。これは川沿い西側を北に歩いて行くと発見出来る。一言で言うと、オレはハマった。素晴らしい。建物の外観は暗かったためよく見ていないが、多分昭和20-30年代に建てられた鉄筋建築物であろう。しかし、中に入ると木で出来た階段や建具などの雰囲気に圧倒される。旅館からすれば、別に圧倒する為にこうなっているわけではないんだけれど。部屋に入って、これも納得。過去からの味わいがたっぷりある。現在、いろんな所にいいホテルと言われるものは沢山あるが、安心して不自由なく過ごせればそれはいいホテルということになると思っている。ドライヤーがない、部屋が妙なにおいがする、となりの物音がよく聞こえてしまう、などがあるホテルはよくない、と思う。それらをクリアして普通のホテル、ということだと自分なりに思っているが、そういう世界と比較しても意味がない。扉は二重になっていて一定の静粛性はある。しかしその扉が「がらがらがら」と音がしてしまうのもご愛嬌。 この、昭和な雰囲気。壁の色、建具の具合。しかしこぎれいに整理されている。ベランダに出ると件の川が見える。川の音は途切れることはない(そりゃそだ)。直感的に、これはいいと思った。風呂やトイレ、洗面所もタイル張りで、これも昭和な雰囲気。温泉は夜の間女性が広い風呂、男性は狭い風呂。23時に入れ替わる。今回オレは広い風呂には入っていない。しかし十分であった。 右下料理Imageを参照。このあともどんどんと料理が出てきたので、このImageが全てではない。手前はヤマメの塩焼き。これはオプションだ。逆に、これと酒以外は全て含まれての会計だった。膳に乗っているのは手前は生ハム+サラダ。ドレッシングの味に驚いた。その奥、馬刺。しかし、これもフレンチな状況になっていて、そして美味い。左はそば。右側の鉄板はあとで肉がやってくるが、この肉が油が少なくしかし柔らかい。他にも数品出てきた。最後は五穀ご飯。途中の茶碗蒸しは、チーズが薄く載せられていてもはやグラタンの域でもある。 全般的にフレンチ状態であり、ビールのあと焼酎を頼んでいたオレたちはあわててワインを追加してしまったくらいだ。板さん、いや、料理長、いや、シェフはどういう人なのか?何故杖立温泉にいるのか?と感じさせる。とにかく価値ある料理だった。 兄はいろんな所で色んなものを食べてきた人間だ。オレも大企業で20年間接待係だった男だ(よくない兄弟だね)。それぞれ、一定レベルの舌を持っていると思うが、二人で驚嘆。普通の温泉の会席などは食べ飽きているが、大変インパクトがあった。いやいや、来年もここに泊まりたい。 当日6:45ごろ葉隠館を出発。車のフロントウィンドウが凍っている。氷を溶かしてスタート。夜明け前だったが徐々に明るく。現地に着くと、既に沢山のMTBerが集っている。7:30から開会式がアットホームに行われる。ここで登場したのは、まず九州代表MTBer、クロカンレーサーである山田大五朗氏。もう一人は、予告を見てびっくりしたんだが松本 駿氏とは。どういうつてでこうなったのかよくわからないが、とにかく凄い。事実上トップレーサーの一人。ベテランと言われているようだが、なんの、若々しい。地図も念のため配布されるが公開しないでくれ、との記述。これはよく理解出来る。それを見て山に入り、遭難する人が出かねないから。「デパール」は8時、ぶらぶらと準備をし、MTBをラインに並べる。オレはナンバー2番なので最前列。ついに8時、ぶらぶらとスタート。 ところで、バイクはFoesのページを参照。ただし問題点あり。一つはタイヤの空気圧を上げすぎていた。前後、2.5。これは途中で落とせばよかったかもしれないが、漕ぎの軽さには貢献。またもう一つは、ディレイラーハンガーが曲がったままであり、これが原因でローで走ると、ハブ側にチェーンが落ちそうなこと、またローの状態でフロント変速すると、チェーンがBB側に落ちてサックすること。これは慎重に扱うしかない。部品は「しのはらサイクル」で注文していて、後日到着している。 本番なんて書けばいいんだ?レースではないからレース、は変だし。とにかく、実走行。本番。 そのあとは、結構激しく急なダートをなかなか登らされる。ここで露呈したのがオレのテクニックのまずさ。普段、いかにスカルペルのフルサスペンションで楽をしているか。フロントタイヤは岩を乗り越えても、リヤタイヤがずるずるとスリップして止まってしまうのだ。それで足付いちゃった。しかしここで学習。フロントのプッシュプルと同じく、必要な場面で尻を上げてみたり、荷重を抜いたりして乗り越えて行く必要がある。これで走れるようになった。王滝で時々フロントがずるっと横に滑るケースがあったが、これは先日の王滝で学習していて加重を前後にうまく調整してハンドルを素直に切ることでバイクをライン通りに走らせる。加えて、こういう厳しいダートにこのFoesを持ち込んだのは初めてだったが、どうやら15mmQRの剛性の高さもあって(これは15QRでなくてもFoxだからこその剛性かもしれないが)スムーズに登れる。本来は下りで真価を発揮するものと思うが、下りは一言で言うと問題なく。 登りの角度、岩の状況からいったん足をついてしまうと坂道発進が難しい。押しが入る。ごそごそと走っていると、標高も上がって行く。 標高が高いと言うことは、雪も。なにせ、寒い!最近落車が多いオレは、雪の上ではかなりナーバスになっていて、慎重すぎる走りだった。 続いてアスファルトを登る。平地、下りと走ってcp4、このあとのルートのレクチャーを受ける。延々とアスファルトを登っていよいよ最後のダート。ん?ひとのおうち?らしきところを抜けて、「おお、これコースなの?」というシングルトラック。よく、こういうルートを開拓したなあ。王滝にはないぞ。兄とは車間をおいてもらって走る。ちょっと「おっとっと」というところもあったが楽しい。 下のImageもシングルトラックで、コース。そしてアスファルトに復帰、中津江へ「アリベ」。 感想自由にトレイルで遊べる感じが非常に新鮮で、よかった。現在名古屋にいて、トレイルの開拓が出来ていない状態な為オフロードで遊べていないが、そういうオフロードに飢えた状態のオレには大変楽しかった。 コースについては思ったより上り下りがあり、路面状態を含めてそれなりにスキルが要求される。事実、それなりにタフと言ってしまってもいいとおもう。しかし、オレに取っては丁度よかったかなあ。これ以上しんどいときついし、これ以下ではモノ足りない。そのぎりぎりのラインにある、絶妙なイベントだったのかなあ。時間が許せばもうちょっと長くてもいいかな。 前日にチョイスした杖立温泉も非常によく、それとのセットでとても楽しい2日間になった。九州内は日帰り可能ではあるが、仲間と泊まったりする楽しみ方も悪くないなあと思う。 最後に、イベントとして素晴らしかったし主催者の皆さんも頑張っていた。今後も続いてほしいし、参加したいと思う。 |
見よ!この具合。
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11/04/16 Update